大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(れ)141 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A同B同Cの弁護人池辺甚一郎の上告趣意(後記)第一点について。

窃盗罪の判示事実として被害物件につき原判示の程度に記載すれば「罪ト為ルベ

キ事実」の説示は充分である。また、原判決の引用する第一審判決挙示の証拠、殊

に司法警察官のB並びにCに対する各聴取書、D提出の盗難被害届書によれば、少

くとも原判示の被害物件数を認め得られる。それゆえ、原判決には所論のような理

由不備等の違法はないので、かゝる違法のあることを前提とする違憲の主張は問題

とならない。

同第二点について。

原審において弁護人が所論証人の訊問を請求した事実は記録上認められない。従

つて、所論Dの被害届を証拠に採用したことは違法ではない(刑訴応急措置法一二

条参照)。また、原審公判調書によると、被告人等は同公判で悉く事実を認めて争

わなかつたのであるから、被告人側より申請もなかつた被害者まで証人として取調

べなければならぬものではない。そして、所論憲法三七条二項は、裁判所が必要と

認めないすべての関係人を職権により証人として採用し被告人に直接訊問する機会

を与えなければならないという意味でないことは当裁判所大法廷判決(昭和二二年

(れ)二五三号昭和二三年七月一四日大法廷判決、昭和二三年(れ)二九四号同年

七月二九日大法廷判決)の示すとおりであるから、原判決には所論のような違憲は

ない。

同第三点乃至第五点について。

所論は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、本件には刑訴四一

一条を適用すべき事由も認められない。

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よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意見で

主文のとおり判決する。

昭和二七年一一月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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